2026年度 イギリス・オーストラリア留学レポート 氏名櫻井 亜仁沙 所属石川県立大学 留学先イギリス・オーストラリア 4月 5月 6月 7月 4月 留学レポート(PDF) 初の欧州初の欧州でまず驚いたのは、異国情緒溢れる町並みの数々だった。いつどこにいても、自分がまるで映画の世界の中にいるかのような高揚感を抱いた。 また、ロンドンは思っていたよりもはるかに人種の坩堝で、多文化共生の様子が見て取れた。 語学学校ルーツや年齢、スタイルの異なる様々な先生と会話を重ねた。 口語と文語の結びつきが弱く、発話に困難を感じていたが、次第に自分の言いたいことを口語に変換するまでのラグが少なくなっていくのを感じた。 英語には日本語ほどの文法上顕著な敬語が少ないこともあり、様々な人と気兼ねなくフラットに話すことができ、深い心の交流となった。 トトロ、ロンドンへ「となりのトトロ」のミュージカル ロンドン公演を観劇する機会があった。1年以上のロングラン公演にもかかわらず、ホールは満席だった。 劇は日本語と英語の混合台本で、日本ならではの表現や挨拶、歌詞が大切にされているのを感じた。 食の観点からロンドンを見る日本ではホルスタイン牛乳をほぼ全ての飲用乳として利用しているが、こちらではジャージー牛乳も飲用としてかなりメジャーだった。 多くの主要な農家はスコットランドに存在するが、ロンドンにも小規模ながら観光農場があった。到着した瞬間からニワトリの鳴き声が聞こえた。様々な家畜が同じのどかな農場に住んでいる様子は「ひつじのショーン」を想起させるようだった。 5月 留学レポート(PDF) ヤギミルク初体験英国では比較的一般的にヤギミルクが販売されており、個人的に初めて飲んだ。日本でもよく飲まれているホルスタイン乳のようなさっぱり感はありつつも、味のパンチや後味としてマトンのような独特のクセがあり、好みを分ける味を感じた。 しかしコラムを見ると実際に乳児がこれを使って体質改善できた話や、昔の日本ではよく家庭用のヤギを使ってミルクが飲まれていたことから、人間の営みからは切っても切り離せない存在だと感じた。 雄大な自然での放牧 ロンドンを抜け北部へと向かう特急の道中、徐々にのどかな風景が増えていき、牛や羊の放牧の景色が一般的となっていった。やはり都市部を抜けて農村部へ入り、農地の余裕ができるとそれに応 じた農業形態がとられることを感じた。 また、日本ではあまりに一般的ではない羊の飼育が、牛並みに盛んな印象を受けた。視界の細かい白い点すべてが羊だったのには驚いた。 語学学校 語学学校では仕上げを迎えた。徐々にスピーキング能⼒が養われ、思ったことをより正確に伝える表現⼒が⾝についてきたように思う。 授業スタイルとして、例⽂に個⼈に応じた回答を当てはめられる形式をとっており、授業を通して⽣徒がお互いの理解を深めることもでき、主体的にスピーキングを学ぶことができた。ロンドンならではの例⽂やイギリス英語もより汎⽤的な様式で学べ印象に残った。講師や⽣徒と楽しい時間を過ごせた。 インターン@PFUEヨーロッパを中⼼に展開するPFUの海外拠点であるPFUE(London)で1週間インターンとして通わせていただいた。3⽉にはかほく市本社でのインターンを経験したが、創業以来受け継がれている精神を、ここでも感じた。社会(顧客)に貢献する、そのような⾃社を誇りに思う、⻑期的に⾒て⼤切だと思う⽅に投資する、等。 ここでは、多国籍企業ならではの各国や各課の意⾒を尊重し合う精神が印象的だった。⾵通しも良い社⾵を感じた上、需要を汲み取り、かほくの⽣産・開発サイドと折り合いをつけ供給へ繋げていく様は、まさに⼈との繋がり・信頼の賜物だと感銘を受けた。私も胸を張ってこの会社を紹介できると感じた。私もまた、国と国と繋ぎ、世界を「共に⽣きる隣⼈」へと感じさせる架け橋となりたいと思った。 6月 留学レポート(PDF) 英国、そして豪州へ2か月滞在したロンドンを後にし、シドニーへ降り立った。ところどころの街並みがイギリスの息吹を感じさせつつも、近代的で実に広々とした風土だった。イギリス同様に移民大国だが、イギリスが「互いに関わり補い合う」尊重を持つ国だとしたら、こちらは「互いに干渉しない」尊重を持つ国という印象を受けた。 シドニーオーストラリア南東部に位置するシドニー。シドニーといえば海のイメージが先行しがちだが、実際はさらに内陸にかけ土地が広がっており、沿岸部から山間部にかけての広大な土地に驚かされた。シドニーでさえも山間部には放牧を伴う牧場が多く見受けられた。市内でも車での何時間もの移動を要するような広大な農地を最大限活用し、大規模経営が行われている様子が窺えた。冬でも日差しが強くぽかぽかとしており、農業に活用できそうな快適な気候だった。 鳩の孵化事情この農場ではプラスチック製の安価な受け皿(左)で卵を孵化させた場合、陶器製の高価な受け皿(右)の場合と比べて孵化成功割合が低くなると聞いた。対外受精においても胚発生の段階でHatching(孵化)という同じ単語を使うので、種は異なりつつも繁殖における条件の大切さを再確認した。 理科教育から豪州を見る近所の公立図書館へ向かい理科教材を見てみると、案外学習している内容は日本と似通っていた。ただ理科は横文字が多いので、英語も使って教えられると逆に分かりやすい部分もあるかもしれないと思った。また純粋に好奇心をそそられる内容の教材もあったので、「生きた理科」を教える重要性を再確認した。 「満点の星空」とはこのこと・・・街灯の少ない郊外地域で暮らしていたので、個人的に今までで最も星がきれいに見え、感動した。初めて、浮かぶ数々の星(左)の中から星座(右・さそり座)を自力で見出すことが出来た感触は何にも代え難い発見となった。また、大学の理科教育の授業で「銀河鉄道の夜」を科学的に考える授業を経験したことから、その授業に登場したさそり座を思い出し理科教育の可能性に文が躍った。 7月 留学レポート(PDF) 有機・ウェルフェア志向の台頭イギリスでも感じたが、スーパーでは有機農法や動物福祉に配慮した商品が次々と商品棚に並び、かつ売れ筋が良いように感じた。実際に、卵も画像の様な3段階に分けて売られていた。研修先の鳩農場でも、完全放し飼いで鶏が飼養されていた。やはり放し飼いのものは需要が絶えないらしい。また、当たり前のように規格外野菜に安売りコーナーが設置されていて、環境への配慮がしっかりされていると感じた。日本では、案外進んでいないところは進んでいないので、こういった部分は海外の方が先進的かもしれない。 農業を教育へ! 観光農場の取り組み自分が農場を訪れた日もまた、小学生あるいは幼稚園生が農園を訪問し回っていた。子ヤギや子羊を見てはしゃいで喜んだり、むちの音を上手く鳴らす講座を受けたりと、全体的に楽しんでいそうだった。結局のところあらゆる探求心は「かわいい」「少し好きかも」といった、身近に思える気持ちから始まるのかもしれないと思った。 酪農場での業務搾乳業務をさせていただいた。牛たちの座る位置や牛舎の構造、放牧である点は日本のものと異なるポイントだが、ミルカーは特に日本での仕組みと変わらず使用していった。繁殖は特別な理由が無い限りは胚移植は行われていなかった。日本ほど酪肉連携の必要性が無いことや十分に広い土地があることが要因として挙げられると予測する。 Ausutralian Maritime Museumここではオーストラリアにおける航海および潜水の歴史が紐解かれていった。ロンドンでも同じような施設へ訪れたが相当国によって内容が異なったため、歴史も含めた潜水、水圧、気象などの理科の学習に繋げられると思った。やはり実物を見るのと教科書のみで学習するのとでは高揚感が違うと感じた。 Royal Botanical Gardenオーストラリアは動物だけでなく植物までも固有の生態系が確立している。日本では見られない動植物が多く見られた。ここでは、様々なオーストラリアならではの植物が説明付きで楽しめたので大変勉強になった。個人的な勉強だけでなく、授業をするなら植生や遷移といった分野にも結び付けられそうだと思った。生物は教科書の中でなく、自然の中にあるのだなということを改めて感じた。 最後に私は畜産を学ぶという観点と、教育を学ぶという観点でオーストラリアで学習や研修を重ねてきましたが、教師目線で物事を見ているうちに、自分もまた善き大人たちに恵まれていて思い切り学ぶことを許されている非常に恵まれた存在であることをますます自覚していきました。未来の生徒にとって何が良き教材化を探していたものの、それら全てが私にとっても良き教材であることにも気づきここまで沢山の学びを持ち帰ることが出来幸せだと感じました。ご支援いただいた方々には感謝の念に堪えません。この学びを本レポートのみならず様々な形で発信していき石川により今後貢献していけたらと思います。