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大学コンソーシアム石川

一般枠(石川県委託事業)

大学名
指導教員
提案課題・調査研究の目的

金沢学院大学
見瀬和雄


報告書(概要版)

PDF:176KB

珠洲市における揚浜式製塩業の基礎資料調査

珠洲市は、古代以来日本海側最大の製塩地帯として機能し、近世における加賀藩の塩専売制の基礎を担い、近代に入ってからも、有力な産業の一つとして、地域住民の生業となっていた。現代においても、天然塩の見直し、専売対象外化などによって、注目が集まり、新たな地場産業として復活しつつある。製塩に関わって、「能登の揚浜製塩用具」(重要有形民俗文化財)・「能登の揚浜式製塩の技術」(重要無形民俗文化財)・「砂取節」(県指定無形民俗文化財)という三つの指定文化財もあり、この製塩業に関する文書の調査や、製塩業に実際に従事していた人たちからの聞き取り調査は、珠洲市の今後の文化発展・産業発展の上から、喫緊の課題である。 この地域課題研究ゼミナールでは、多くの人手と時間のかかる古文書調査や聞き取り調査に、日常的に古文書の読解を学ぶ学生が取り組み、珠洲市における近代製塩業の再編に力を尽くした藻寄行蔵家の古文書を整理して、近代珠洲製塩業の実態把握を行うとともに、既に高齢となられた製塩労働経験者から、労働の様子などを聞き取って記録する、オーラルヒストリーの勉強を進める。この記録は、珠洲市の製塩文化を理解する上で貴重な資料になるものと考える。また、地域の中から研究課題を見出すという、学生の学ぶ姿勢を涵養する上でも、効果は大きいものと考える。

石川県立大学
辻井 博


報告書(概要版)

PDF:228KB

白山市のコメと大豆のブランド化と米粉や豆腐など
加工品開発に関する経済的研究

白山市は石川県屈指の米どころであり、さらに米の転作作物である大豆も県内の生産量の約3分の1を賄っている。よってこの2つの作物の生産の向上は白山市の農業の発展には不可欠である。しかし米消費量の減少や、大豆のしわ粒、小粒化による品質低下や収量低下、農家の高齢化などにより近年、生産・加工・販売面において工夫、改善が求められている。平成20年度は、辻井ゼミの学生が、白山市の米と大豆の生産、加工、ブランド化、自給率の向上、地産地消率の向上について調査・研究し、報告書を書いて問題点と対策を究明した。平成21年度は、この研究成果を基礎として、白山市のコメと大豆のブランド化と米粉や豆腐など加工品開発に関する経済学的研究を行う。

石川工業
高等専門学校
村田 一也


報告書(概要版)

PDF:676KB

内灘海岸における魅力づくりを通した地域環境改善に関する研究

【調査研究の背景】
本ゼミナールは、平成20年度に「内灘海岸における風紋再生を通した地域環境改善に関する研究」として調査研究に取り組んできた。内灘町、海岸関係機関および教育機関などの協力のもと、風紋再生のための竹垣設置活動への参加、その活動を改善するためのアンケート調査、また小学生を対象とした風紋に関する体験学習を行った。さらに内灘海岸全体の利用計画を行うために、「内灘海岸魅力づくり委員会」(以下、委員会とする)を設立した。2009年2月25日には「第一回内灘海岸魅力づくり委員会」が開催され、本ゼミナールがワークショップを行った結果、委員会では「安全で使いやすく美しい海岸を認知してもらう」ことを目的とし、「情報」をキーワードとして活動を行っていくこととなった。
【調査研究の目的】
本調査研究は、平成20年度における調査研究の発展的継続として、委員会とともに海岸の利用に関するルールをつくり、これを情報として発信していくことで、内灘海岸の魅力づくりを通した地域環境を改善することを目的とする。
そのため、①理想的な利用形態の検討、②情報発信のための媒体の構築を行う。これらを、③海岸関係者および利用者を対象とした社会実験を通して検証していく。
①理想的な利用形態の検討
安全で使いやすく美しい海岸の利用を目指し、海岸の利用に関するゾーニング、および海岸の利用に関するルールを策定する。
②情報発信のための媒体の構築
海岸の利用に関するルールおよび海岸に関する情報を発信し周知させる。
③社会実験を通した①、②の検証
海岸の利用形態と情報発信のあり方について、海岸におけるイベント時に実験的にそれらを施行し、アンケート調査により検証する。社会実験による検証か②の改定を行い、委員会でも積極的に提言し内灘海岸全体のグランドデザインを策定し、条例策定に向けた準備を整える。

石川工業
高等専門学校
熊澤 栄二


報告書(概要版)

PDF:588KB

能登町新保町のキリコに関する基礎的研究

【研究活動の背景】
熊澤研究室では、珠洲市三崎町寺家に鎮座する奥能登一ノ宮(式内社)である珠洲神社キリコ祭りの祭礼調査および文献調査を平成12 年より継続的に行ってきた。また平成19年度には「第一回 すず再発見フォーラム キリコ祭りを、知る」を能登半島 里山里海自然学校と共同で開催、翌年には「第二回 すず再発見フォーラム キリコ祭りを深く知る」を能登エコ・スタジアム2008の特別企画として開催している。フォーラムでは、キリコ祭りをはじめとしてキリコの制作、民間伝承としてのキリコ、ヨバレ料理などの視点から地域住民とともに地域文化保存とその意味の再評価に関する活動を行っている。
今年度、能登町新保町より「キリコの形態,美,強度等を研究して新造営キリコに可能な限り生かしたい」との課題が示されているが、研究室で蓄積してきたキリコ文化についての知見を新しいキリコ制作という実践の中で活かすことができると考え、提案したい。さらに能登町の研究を行うことで、現在までの珠洲地域でのキリコ文化を相対的に評価する新しい研究の指標を獲得することになり、より深い能登のキリコ文化を理解するための視座を開く契機となると考えている。 
【研究の目的】
能登町新保地区にキリコにおいて女性の絵を描く習慣が伝承されているが、このキリコ絵の由来や意味を探ることを通して、今後の新しいキリコ造営に研究を活かしていくことを目的とする。
【申請研究の範囲:平成21年度計画】
①文献調査
②キリコの実測調査と電子データ化
③ヒアリング調査:地域に残る伝承や地名などのヒアリング調査

金城大学
寺尾 研二


報告書(概要版)

PDF:640KB

加賀市内3温泉の温泉浴における身体への影響と
温泉保養・療養地としての資源活用の検証

日本人の入浴は全身浴が主体であり,温泉浴も古来より幅広く普及している.温泉療法としての歴史も古く,その科学的効果については,温泉の泉質の違いや異なった化学作用による血管拡張や鎮痛作用および筋緊張の緩和などが報告されている.また,温泉を含めた周囲の自然環境などの総合作用に着目した総合的生体調整作用の効果の報告もなされている.近年の高齢化社会にあたり,介護予防をはじめとする健康・福祉増進に関わる様々な施策が進められていく中で,温泉は日本人に馴染みのある有効な天然資源と考えられる.しかし,利用者は短期滞在がほとんどで,保養効果がでる3?4週間の長期滞在は現実的に困難であるのが現状である.。
昨年度,金城大学木林ゼミナールが入浴前後の血圧変動,末梢循環血流量の変動,筋硬度の変化,末梢表面温度の時間的推移を測定し,泉質の違いによる変化を科学的に検証した.その結果,温泉水は水道水と比し,安定した血圧のもとに,脈拍を増加させずに血流速度・血流量を増加させ,筋の柔軟性向上に寄与していることが示唆された.本調査研究の目的は,昨年度の木林ゼミナールを引き継ぎ,さらに実験環境および実験実施時期を考慮し,また加賀市内の3温泉の特徴および温泉保養・療養地としての資源活用を科学的に検証することを目的とする。

金城大学
田中 克恵


報告書(概要版)

PDF:308KB

小規模高齢化集落が安心して暮らせる地域づくり(東二口地区)

白山市東二口は、白山麓旧尾口村にある自然豊かな町である。白山麓周辺では過疎化が進んでおり、東二口地区も例外ではない。ここでは林業や観光産業が発展しているが、それ以外の産業に乏しく、過疎化の進行を止めることは現時点では困難な状況である。そのような中、先祖代々の土地を守り、暮らしている人々の高齢化が目立っている。山間部で豪雪地帯でもあるこの地区で、このような人々がこれからも生活を継続するためには、住民の力だけでは限界があり、住民と住民、地域、行政が協力し、安心して暮らせる地域を創る事が求められる。それは、住民同士の絆を深めること、地域のコミュニティの改善、医療・福祉・教育の充実や交通手段の確保など、様々なニーズが考えられるが、実際に住民が求めるものは何なのか、それを把握することが重要となる。
和気は、地域福祉を下から"創り上げていく"福祉であると述べているが、その中で、地域住民が主体的に福祉の事業・活動に関わること、又、それらを可能にする様々な福祉環境の整備が必要だと述べている。また、地域住民自らが地域社会の抱える生活課題を明らかにして、自らその解決に向けて活動する意識を醸成する事の重要性を紹介している1)。このように、住民の不安や課題を踏まえたうえで、住民の積極的な参加が必要となる。
そこで本調査研究では、まずは住民の協力を得ながら住民が抱える生活上の不安と課題を、個人あるいは家庭などのミクロ領域と、環境やコミュニティなどのメゾ領域から捉え、明らかにする事を目的とする。
本学は白山市にあり、同市に居住する学生も多く、白山麓の過疎化の問題は人事ではない。福祉を学ぶ学生にとって、この調査研究が福祉への興味を更に高め、地域福祉を学ぶ良い機会になると期待している。

金城大学
木村 朗


報告書(概要版)

PDF:300KB

白山麓の長寿の秘密と生活リズム等関連要因の研究

白山市の協力を得た、平成20年度の本ゼミの課題研究から,白山麓に住む住民(特に中宮地域)の伝承的な踊りの特徴や、疫学的調査の解析による,悪性新生物の発症率が有意に低い健康長寿と考えられる高齢者が多いことが判明した。
そこで,健康な高齢者を誕生させる要因として白山麓固有の文化に根ざす生活習慣や一般的な健康に良いとされる要因など考えられるものを調査し,健康長寿の秘密を解き明かすことを目指す。 健康に関連する客観的指標との関係結果次第では,観光客に健康メニューを作成し提供できる可能性があることから、新しい知見を基にした観光資源を発掘し、情報発信を試みることを目的とする。

金城大学
短期大学部
黒川 威人


報告書(概要版)

PDF:232KB

雪だるままつりのイベント効果を高めるための映像技術
(雪だるまに映像を投影することによる効果)の研究

雪だるま祭は豪雪地帯白峰、桑島地区ならではの寒中行事として年々訪れる観光客が増えている。しかしながら地域総出で参加する手作りの楽しさ、夜間のろうそく点灯による美しさといった素朴な地域イベントの域を脱しておらず、今一歩造形的にも洗練された,アート性の高い演出によるグレードアップが望まれる。これにより更なる集客力と地域の発信力が増すと考えられる。
本調査研究の目的は、美術(デザイン・映像)系ゼミの強みを生かし、映像投影を前提とした雪だるまの形や地域内での配置、投影する映像のコンテンツなどを研究することにより、当該祭のグレードアップに貢献しようとするものである。

金沢工業大学
谷 明彦


報告書(概要版)

PDF:740KB

重要伝統的建造物群保存地区指定に向け、
伝統的街並みを活かした白峰集落のまちづくり

本研究は、今年度の活動で3年目を向える。これまでの活動として、1年目は、私たちだけで行える活動を中心に「古民家の活用」、「景観整備」、「情報発信」以上の3項目から成る『まちづくり活動の方針』を定め、これを軸に具体的な提案を行った。結果、古民家を再活用した「雪だるまカフェ」を立ち上げ、運営を行うなどの成果を上げ、住民方から信頼や協力を得ることができた。
2年目は、住民方から信頼や協力を得たことで、長期間を要する白峰地区の知名度向上を目指す活動へ移行していき、全国へと情報を発信できる土台としてホームページやガイドマップの作成など行った。また、住民方と協働で地区内の活性化に向けた活動も実施した。
本研究の目的は、重要伝統的建造物群保存地区指定に向けた白峰地区の伝統的な街並みを活かしたまちづくりを行うことで、継続的な地域活性化の促進を目指す。住民が自立的な活動を行うことのできる場の形成を最終的な目標としている
今年度は、総合的に幅広い活動が必要となる。そのためには、白峰地区に存在する魅力や資源を活用していくことが重要であり、街並みもその一つである。また、文化財登録や重伝建地区指定を行うことで、知名度向上を目指す活動に繋げていく。

金沢大学
中村 浩二


報告書(概要版)

PDF:148KB

奥能登の水田生態系の魚類,両生類,アメリカザリガニ等の分布と生態, 
特に環境配慮型圃場整備の効果

珠洲市の野々江町では,「環境配慮型ほ場整備」が進行中であり,農業生産を高めるための水田区画の大型化,コンクリート水路の整備等が実施されるとともに,生物多様性に配慮した水路や水辺が整備されつつあり,その効果の検証が重要である.本調査では,環境配慮型圃場整備が実施された水田において,水生生物の生物多様に関する(1)現状調査(種類相と分布),(2)圃場整備の前後の変化,(3)問題点の把握,(4)改善の可能性を提案するとともに,(5)野々江に分布する有害外来生物のアメリカザリガニの生態調査と駆除活動を行う.これらを通して,環境配慮型ほ場整備地において,生物多様性の保全とアメリカザリガニのコントロールが進むことを目的とする。

金沢大学
高山 純一


報告書(概要版)

PDF:336KB

地産地消地元食材を活用した健康グルメの
ヘルシーツアー企画に関する調査研究

最近、メタボリックシンドロームということばを耳にすることが多くなった。専門家ではないので、詳しいことはわからないが、このメタボリックシンドロームは日本人の三大死因(がん・心臓病・脳卒中)のうち、心臓病と脳卒中を引き起こす「動脈硬化」をまねくといわれている。肥満の原因は、「カロリーの取りすぎ」と「運動不足」にあり、メタボリックシンドロームの改善、解消のためには、生活習慣を見直し、適度な運動の実施(運動療法)とカロリー管理(食事療法)が必要不可欠である。しかし、現代社会の中では、手軽に運動できる場所が少ない。費用をかけずに行うことができるのは、「歩くこと」と「自転車に乗ること」くらいである。現状の都市においては、安全に、また安心して歩けるところが少ない。高齢社会が進む中で、「健康」な社会を実現することは非常に重要であり、今後の新たな観光振興を考える上でも重要なキーワードである。
一方、かほく市には知名度の高い観光施設は少ないが、四季折々の美味しい食べ物や風光明媚な自然が多く、「健康」と「美食」をテーマとした新たな観光ツアーの可能性が高いと考えられる。そこで、安全で・安心な地元食材を使ったヘルシー料理、もちろん身体に良いというだけではなく、美味しい料理を楽しんでもらうヘルシー・グルメツアーの企画提案を行いたい。具体的には、まず(1)地元食材の調査、(2)健康ウォーキングのためのツアーコースの調査、(3)健康に楽しんでもらう体験型観光コースの調査などを行い、新たな観光振興事業への可能性を明らかにしたい。また、かほく市にはあまり目立たないが、旧北国街道沿いの歴史的町並みや漁村の町並みが残っており、それらの景観保存がまちづくりにとっても重要な課題である。今回は、「健康に歩く」をテーマにそれらの地域をつなぐツアー(散策)コースの設定と歩ける環境整備の計画策定を行いたい。

金沢大学
大友 信秀


報告書(概要版)

PDF:376KB

沢野ごぼうのブランディングと地域団体商標の取得(26)
(沢野町を中心にした崎山半島の活性化(25))

金沢大学知的財産法ゼミは、特許法、著作権法、商標法等、知的財産という無体物を保護、発展させるための法律について、発表や議論を通し理解を深めているが、実社会における実践のため、平成18年より石川県内の農業従事者の産品のブランディングに協力してきた。
具体的には、平成18年度の金沢大学学長戦略研究における七尾市の伝統野菜「沢野ごぼう」を利用した地域活性化(その後、平成19年度より大学コンソーシアム事業として継続)、平成19年度の白山市の伝統野菜「ヘイケカブラ」の復活と地域活性化(平成20年度も継続)及び輪島市三井地区の伝統野菜「細屋ごぼう」の復活と地域活性化に取り組んだ。また、平成20年度は、輪島市金蔵地区の万燈会を利用した地域活性化にもコンソーシアム事業として協力した。
本事業においては、昨年度出願準備段階まで至った、「沢野ごぼう」商標の地域団体商標出願を行うとともに、出願後の効果的利用策を検討することを目的とする。また、沢野ごぼうのブランド力を地域に生かし、また、地域の活動により沢野ごぼうのブランド力をあげるという地域と個別ブランドの相関的活用策の検討を行うことも同時に目的とする。これにより、地域資源及び地域の特性を生かした地域活性化のモデル構築を目指す。

金沢星稜大学
北川 節子


報告書(概要版)

PDF:164KB

七尾市の少子化に関する住民のニーズ調査と
子育てしやすい地域づくりの政策提案し

石川県の人口は2000年にピークを迎えその後徐々に減少しているのに比べ、七尾市はすでに1955年にピークとなり75,308人から年々減少の一途をたどっている。2009年3月末には60,015人とピーク時の79.7%にまで落ち込んでしまった。また2004年の合計特殊出生率は全国1.29、石川県1.38、七尾市1.60である。七尾市の合計特殊出生率が1.60と高いにもかかわらず、人口が減少する要因としては産業・教育が若者を七尾市に引き留めるだけの吸引力がないため、転出が転入を上回ることがあげられる。この現状の中、子どもを産み育てる年代の人々が七尾市において出産・子育てをすることのメリットを感じてもらう地域づくりを、官民挙げて取り組むことが重要となる。
 全国的に2004年に次世代育成支援についての住民のニーズを探る調査を実施、この結果をもとに具体的数値目標が設定され様々な施策が行われた。七尾市も同様のプロセスを経ている。
 今回、七尾市は子育てしやすい地域づくりのための調査を課題として提案しているが、前回調査との比較及び施策の評価としての位置づけを持っていると考える。
ゼミにおける調査研究の目的は、乳幼児・小学生をもつ親の子育て支援に関するニーズとその要因、将来転出する可能性があり親となる年代の若者の認識を調査し、子育てしやすい七尾市つくりの政策を提案することにある。さらに就業と子育ての両立の観点から七尾市の主要産業関係者からの意見、家庭における大きな課題となる虐待や専門家からみた子育ての問題について児童福祉関係者からの意見、親を支援する立場から祖父母からの意見を聞き、政策提案に活かしていく。
調査研究には経済学部の学生が参加する。この研究活動を通して、少子化という現代社会の問題を深く理解し、調査研究のノウハウを理解した人材を育成することも目的の1つである。

金沢星稜大学
田島 良輝


報告書(概要版)

PDF:288KB

プロスポーツクラブによる地域の活性化方策の検討
~スポーツで町を元気にする方法を探る~

石川フットボールクラブ(以下;ツエーゲン金沢)の提案を受け、本ゼミでは以下2つの目的を掲げた調査を実施したい。
1) 金沢市民のプロスポーツ観戦動機を明らかにする
本ゼミでは07年「ツエーゲン金沢の観戦動機に関する調査」、08年「ツエーゲン金沢の観戦者満足度に関する調査」と提案先と協働した継続調査を実施しているが、本年はこれまでのスタジアム観戦者を対象とした調査ではなく、金沢市民を対象に①スポーツ観戦動機のセグメンテーション ②セグメントされたスポーツ観戦動機ごとの属性、ライフスタイルを明らかにする調査を企画している。
2) プロスポーツクラブの地域密着戦略の検証、効果測定
上記の継続調査より観戦者の多くは"地域のつながり"を期待してスタジアムに足を運ぶことが明らかになっているが、そこで指摘された"地域のつながり(=地域密着)"とは、どのような状況を指すのか、明確な定義はできていない。
そこで、2つ目の調査ではプロスポーツクラブの地域密着活動を分析し、その効果測定を行いたい。プロスポーツクラブは、どのように地域密着を考え、どのようなコンセプトでイベント等を実施しているのか、一方で地域住民はどのような地域課題を抱え、どのようなときに地域のつながりを感じるのか、以上を踏まえ、プロスポーツクラブという装置が地域にできることを明らかにしていきたい。
プロスポーツと地域活性化をつなげる取組みや研究は少なくないが、当該地域にどのような課題があり、その課題を解決するためにスポーツという装置がどのように機能し、成果を上げたのか、あるいは否かについて具体的に検証できたものは少ない。近年、"地域密着"をキーコンセプトとしたプロスポーツクラブが増えており、地域プロスポーツクラブの地域密着戦略(地域にできることは何か)の研究成果蓄積は、公共性の高い取組みになるものと考えている。

星稜女子短期大学
安藤 信雄


報告書(概要版)

PDF:404KB

地域の特産品に対する消費者ニーズを探る調査を行って欲しい。

能登鹿北商工会が求めるアンテナショップは、能登特産品の消費地での認知度アップを目的としている。これのためには消費者のニーズを理解し、よりニーズに適した消費方法を提案し、需要の掘り起こすための手法を開発することがひつようである。この手法を調査研究することがゼミによる調査の目的である。
星稜女子短期大学・経営実務科で非対称情報市場の研究を行っている安藤ゼミは、昨年は能登島の民宿組織「のとじまん会」と連携して観光資源開発を情報の秘匿の手法を用いて実験を行ってきた。本年度はさらに鹿北商工会と中能登町と連携して調査研究をおこなう。その結果を生産者と消費者のコミュニケーション作りに役立てて販売する手法の開発をおこなう。
 安藤ゼミでは、市場の情報の非対称性が経済にもたらす影響の研究成果から、市場における非対称情報が、観光資源や「食・食材」市場への影響を調査研究してきた。
例えば、消費者は加工食品の安全性をラベル表示によって判断する以外にすべがない。ところが賞味期限偽装事件や毒物混入事件が起こると、ラベル表示を信じることが出来ない消費者はより身近な生産者の製品に安全安心感を持つ。野菜で国産品のシェアが拡大したのは食の情報の非対称性が強いためである。
消費者には生産者の顔が見えるとさらに安心感を持つ。顔が見えるだけでなく対面販売などを行い、会話をもってコミュニケーションをとるとさらに安心感が増す。学生と生産者による提案型の商品を作れば、さらに消費者は理解しやすくなり受け入れやすくなる。このような販売方法が消費地での認知度アップを高めるであろうことを実証的に調査研究する。このように特産品の需要の掘り起こしが、地産地消を促進し、生産者と消費者がコミュニケーションを活発化させ、地域経済の活性化につながるといったアンテナショップの手法の調査研究を実現する。



連携枠(文部科学省戦略的大学連携支援事業)

大学名
指導教員
提案課題・調査研究の目的

代表機関
金沢大学
宇野 文夫

持続可能社会を奥能登・珠洲のキリコ祭りで学び体験する
ツーリズムの企画と実施

珠洲市からの2件の提案(28、29)を読み解くと、提案(28)では奥能登の伝統文化であるキリコ祭りなど祭礼(ほか獅子舞、きゃらげ、早船狂言、奴振り、のぼり旗、神輿巡行など)の各地の言い伝えや個々のまつりの趣旨、神社との関係を総括的に編集した報告書とすることによって体系化し、文化遺産としての価値を高めたいとのこと。また、提案(29)は高齢化社会を迎え、金銭的に余裕があり、目の肥えた「元気なシニア世代」をターゲットにした、魅力的な旅行商品の開発と商品化を提案してほしいとの内容である。この2つの提案を考え合わせると、以下のような発想が浮かぶ。日本の「3大灯り祭り」といわれる「秋田の竿灯」「青森のねぷた」「能登のキリコ」だが、キリコ祭りは集落単位での祭礼であるためスケール感に乏しく、全国的には「知られざる」文化遺産である。しかし、実際にその土地を訪ねてキリコ祭りを目の当たりにすると、古来から継承された味わい深い日本の文化であることに気づかされる。「出し物」であるキリコや獅子舞にはその土地ごとに文化的ストーリーがあり、地域コミュニティを構成する人たちの「熱」を感じる。各家庭でのヨバレゴッツォなど「もてなし」の文化も奥深い。その祭りには「日本の里」の原点と魅力が詰まっている。こうした奥能登の祭りこそ、シニア世代に響く旅行商品であり、地域資源であると考える。シニア世代が満足させたいものは「学びのニーズ」である。単に観光で奥能登の祭りを見物するのではなく、文化や芸術として学ぶ「ツーリズム」として創り上げたい。

連携機関
金沢美術工芸大学
川本 敦久

連携機関
石川工業
高等専門学校
熊澤 栄二

報告書(概要版)

PDF:588KB

代表機関
金沢大学
高山 純一

交通環境の変化による白山市内観光動向調査と
観光誘客のための二次交通に関する調査研究

石川県の観光統計によると白山地域(旧鶴来町以南の白山麓)への観光入込客数(平成19年推計)は、約1,035千人であり、石川県全体(19,466千人)に占める割合はわずか5.3%である。そのうち宿泊客の比率は18.3%であり、県平均(35.1%)よりもかなり低い傾向にある。この原因は定かではないが、観光客の発地を比較すると白山地域の場合、県内からの観光客が圧倒的に多く(80.0%を占める)、県平均(46.6%)と比較しても非常に高い比率となっていることがその背景にあると考えられる。すなわち、県内からの日帰り観光客が多いものと推測される。ただし、これらのことはあくまで上記の統計調査結果から類推されることであり、その実態に関する詳細な内容は明らかではないのが現状である。
また一方、昨年7月に全線開通した東海北陸自動車道により、中京方面からの観光入込客が金沢や富山、高岡、氷見等において増加したと言われている。白山地域や加賀地域においても、白山スーパー林道を経由して観光に訪れる県外者が増加したと考えられる。しかし、その実態はまだ明らかではない。しかも、白山地域における観光は季節によって大きく異なり、白山スーパー林道の通行可能期間と通行止め期間では、観光来場者の発地が異なっている。
そこで、本研究では白山地域における観光動向実態調査を行い、観光客がどこから、どのような交通手段を使ってやって来るのか、また、どのような観光形態をとっているのかを明らかにし、観光振興計画策定のための基礎データとしたい。また、今後交通環境が変化することが想定されるため、その変化(北陸自動車道の白山ICの供用開始、北陸新幹線の金沢駅開業など)の影響についても調査したい。さらに、今回は合併により余裕ができた白山市内の遊休施設(スキー場施設、小中学校施設など)を利活用する合宿観光誘致の可能性についても調査したい。

連携機関
金沢大学
伊藤 悟

連携機関
金沢星稜大学
堂下 恵

報告書(概要版)

PDF:692KB

代表機関
金沢星稜大学
池田 幸應

地域環境を活かした高齢化集落活性化策の検討
~過疎農山漁村と中心市街地との協働による地域づくり~

穴水町は、能登半島中央部に位置し、自然・歴史・文化が豊かでグリーン・ブルーツーリズム活動に適した地域である。しかし、今回の当該地域からの提案にもあるように、昨年度末には人口が1万人を割り、過疎化や高齢化の進行により集落における65歳以上の割合が5割を超す、いわゆる限界集落が13集落となり、391世帯,966人とほぼ町の人口の1割を占めるに至っている。また、今後10年間で市街地を除く81集落の内、65集落が限界集落となることが予想され、高齢化集落対策は急務な課題である。一方、住民が行き交うべき中心市街地についても、地域にとって重要な役割を果たしているが、中心地域である駅前周辺商店街では、過疎化や近郊型大型店等の影響により、売り上げ減少や投資・イベント等の縮小化等により、客離れが進む負のスパイラルに陥っているのが現状であり、加えて平成19年3月25日発生の能登半島地震により大きな被害を受け、現在復興活動3年目を迎えている。
本調査研究では、当該地域において継続的に取り組んでいる2ゼミナールが、地域からの提案"高齢化集落対策"に関して、過疎農山漁村地域における課題の明確化に加え、中心市街地地域からの視点も加えた総合的な活性化策として、学生たちが各ゼミナールの特性を活かし、ゼミナール間・地域住民との相互交流活動を通して相互理解を深めながら、地域環境調査を実施し、実態調査の分析を行い、検討会・フォーラム等により、大学生という若者の視点から持続可能な具体的提案を行い、地域振興に寄与することを目的とする。
◎これらの取り組みにより、当該地域の高齢化集落の方々へエネルギーを与え、情報発信により過疎農山漁村地域と中心市街地域の協働が促進され、町外からの流入人口増加や当該地域全体の活性化や諸課題解決への助力となるものと確信する。本提案課題は、当該地域のみならず能登地域全体が抱える課題とも繋がる重要なものと考えられる。

連携機関
金沢大学
田中 純一

報告書(概要版)

PDF:372KB

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